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昔々 あるところに、お爺さんとお婆さんが住んでいました。 ある日、お婆さんは川へ洗濯に、 お爺さんは街へシバかれに行きました。 その後、お爺さんの姿を見た人は誰もいません。 お婆さんが川で洗濯をしていると、川上から大きな桃が、 どんぶらこ どんぶらこ と流れて…いきました…。(婆さんスルー) 婆さんに見て見ぬフリをされた大きな桃は、その後も何度か 同じように見送られながら、川を下っていきました。 そして、ただひたすら流され続けること数日。 その間にあちこちにぶつかり、すっかり痛んでしまった 桃の強度は、もはや限界に達していました。 表皮の所々に穴が開き、ついには浸水。 実は桃の中には小さな赤ん坊が入っていたのですが、 水は容赦なく中へと流れ込んでいったのです。 いつか誰かに拾われるまで…そう耐えていた中の赤ん坊でしたが、 さすがにこのままではマズいと思い、仕方なく自ら脱出。 華麗なクロールで川岸まで辿り着くと、とりあえず泣きました。 赤ん坊が号泣していると、どこからか野犬が現れ、 犬畜生の分際で人間様に向かってこう言いました。 犬「ももたろさん ももたろさん。 お腰に付けたキビ団子、一つ私にくださいな。」 空気読めよと。お前 空気読めよと赤ん坊は思いましたが、 とりあえず名前が無いのも不便なので、流れ的に『桃太郎』 という名前だけは貰っておいて、犬は食べました。 数日が経過しました。 少し前までまだ赤ん坊だった桃太郎でしたが、なんとその数日の間に みるみる成長し、十歳前後に見えるほどの少年になっていました。 そんな桃太郎少年が、行くあても無く、それどころか人生そのものに 迷いながら歩いていると、突然木の陰からわらじを持った猿が現れ、 彼に向かってこう言いました。 猿「この猿めが温めておきました。」 その猿かよ。そっちの猿なのかよと桃太郎は思いましたが、 とりあえず裸足は痛いと常々感じていたので、手渡された わらじをありがたく受け取り、猿は食べました。 その後キジも食べてしまった桃太郎は、立ち寄った村で 『鬼ヶ島』という島に怖ろしい鬼がいるという話を 聞くだけ聞いて、聞かなかったことにしました。 そして世界は、鬼に滅ぼされたとか。
―――――― クロールじゃなくバタフライだったかな?